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メーカー逆らえず「切られたくない」
2018年03月15日

アマゾンジャパンとメーカーの取引の構図

 インターネット通販大手「アマゾンジャパン合同会社」(東京)が15日、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで公正取引委員会の立ち入り検査を受けた。自社サイトで取り扱う商品の納入業者に対し、値引き販売した額の一部を補填(ほてん)させたとされ、ネット通販の「王者」としてのアマゾンの絶大な力に抗することができない日本メーカーの姿が浮かび上がる。

 アマゾンは昨秋から、納入業者に負担を求める動きを強めた。ある食品メーカーは、アマゾンからサイトで販売した金額の5%程度を協力金として負担するよう求められた。一度は拒否したものの、「商品の販売で不利な扱いを受ける」という懸念があり、交渉の結果、1%の支払いに応じたという。

 アマゾンは圧倒的な品ぞろえと低い価格、スピード配送を武器に急速に売り上げを伸ばし、2017年の国内の売上高は約119億ドル(約1兆3000億円)に上る。国内メーカーにとっては無視できない存在だ。

 日用品メーカーのうちの1社は「アマゾンはネット業界の絶対的王者。新規の顧客を獲得するために必要で、(契約を)切られたくない」と協力金支払いに応じた。他のメーカーからも「アマゾンとうちは強者と弱者との関係」「突っぱねることはできない」との声が出ている。

 「コストを払ってでも協力関係を続けたい」というメーカーもあり、合理的な理由で納得して協力金を支払うのであれば問題にはならない。しかし、牛島総合法律事務所の川村宜志弁護士は「アマゾンとの取引が多く、簡単に他のネット通販会社に乗り換えられないような業者は、取引ができなかったりする恐れから、協力金支払いに応じざるを得ない。その場合は独禁法が禁じる『優越的地位の乱用』に当たる可能性がある」と指摘する。

 今回の公取委の立ち入りを巡っては、値引き価格の一部を納入業者に補填させていた疑いがあり、事実であれば更に悪質だ。公取委は補填の問題と協力金との関連についても調べる見通しだ。

 アマゾンがメーカーにこれらの負担を求める背景には、物流費の上昇などネット通販を巡る環境の悪化がある。ネット通販の拡大に伴い、宅配便の需要が急増。ドライバー不足もあり、アマゾンは宅配便大手の輸送費値上げを受け入れざるを得ない状況だ。商品の低価格販売を維持するために、増加したコストの一部を取引先メーカーに負担させる狙いがあるとみられる。

 ただ、今回の立ち入り検査をきっかけに、負担のあり方を見直す必要が出てくる可能性があり、メーカーとのより透明性の高い関係の構築が求められそうだ。

【竹地広憲、古屋敷尚子、和田憲二】

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