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泡盛:海外進出へ政府が支援 米韓へ販路、沖縄懐柔思惑も
2018年11月09日

多くの外国人観光客が訪れる沖縄物産専門店の泡盛コーナー=東京都中央区銀座1の「銀座わしたショップ本店」で、川辺和将撮影

 沖縄県特産の焼酎、泡盛の海外進出に政府が乗り出す。泡盛の出荷量は2000年代の「沖縄ブーム」以降は減少。一方で海外では日本酒人気が高まっており、ハワイ・西海岸などに沖縄からの移民が多い米国や、焼酎文化が根付く韓国を足がかりに、泡盛の知名度アップを図る試みだ。

 政府は19年度当初予算の概算要求で、海外販路の開拓支援に前年度当初予算の3倍超の1億1200万円を計上。来夏にも沖縄の酒造・酒販業者らに委託し、米韓の食文化や販売に適した酒瓶の大きさなどを調査したい考えだ。内閣府の担当者は「集めたデータを基に商品開発し、試験販売して売れ行きや客層を把握したい」と話す。

 県酒造組合によると、00年代前半には沖縄サミット(00年)やNHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」(01年)による沖縄ブームに、全国的な焼酎ブームも相まって、泡盛の出荷量は増加。しかしピークだった04年の2万7688キロリットル以降は13年連続で減少し、17年は1万7709キロリットルまで落ち込んだ。

 出荷の85%前後を占める県内向けは、若者の酒離れや、酒類の選択肢が増えたことから苦戦。瓶より持ち帰りやすく処分も簡単な紙パック化などの対策も、歯止めには至っていない。今春、宮古島の泡盛酒造所が県内では30年ぶりに廃業に追い込まれた。

 県内47の蔵元のうち20は離島にあり、出荷コストがかさむ県外向けも競争力に限界がある。それでも、出荷全体の0.2%程度にとどまる海外輸出には「伸びしろがある」(土屋信賢・同組合専務理事)と期待の声が出ている。

 政府の支援の背景には、一見無関係な米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題も見え隠れする。移設反対の玉城デニー沖縄県知事との対立が深まる中、安倍政権はこうした振興策で「沖縄に寄り添う姿勢」をアピールし、県内移設に理解を得たいという思惑がある。

 また、沖縄が本土復帰した1972年当時、沖縄の酒税率は本土よりも低かった。政府は県内生産・出荷にかかる酒税を35%軽減する措置を5年ごとに延長。泡盛の消費を後押した。

 しかし自民、公明両党は17年5月から、酒税軽減の延長期間を「2年」に短縮した。本土復帰から半世紀近くが過ぎて「役割を終えた」との指摘がある一方、政権には、辺野古移設で対立していた故翁長雄志前知事をけん制する狙いもあったようだ。来年5月に再び期限を迎える軽減措置について、宮腰光寛沖縄・北方担当相は「泡盛の生産量を上げるには継続が必要」と強調する。【川辺和将】

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